日曜日

四環系抗うつ薬 テトラミド

テトラミドは四環系の抗うつ薬の一種で、三環系の抗うつ薬と違う点は、脳内のアミンという物質の再吸収阻害作用がないというところです。

テトラミドの作用はノルアドレナリンの増加と、セロトニンの再吸収抑制によりうつ病改善がはかられるという作用です。

適応される症状は、うつ病やうつ状態です。その他にも認知症のせん妄とうい症状にも効果があるといわれています。

ちなみに、就寝前に投与することが多いようです。テトラミド単体で使用されるというよりは、他の抗うつ薬との併用で用いられるケースが多いです。

副作用は、あまりないようですが眠気やだるさといった抗ヒスタミン作用がありますので、最初のころは寝る前に服用することがいいとされています。

<処方例>
うつ病の場合、テトラミド10mgを朝、昼、夕に3錠ずつ。
または、テトラミド10mgを1錠寝る前に服用する。

土曜日

SSRI ジェイゾロフト

1980年代にアメリカのファイザー製薬によって開発された、選択的セロトニン再取り込み阻害薬の一つがジェイゾロフトです。

比較的新しいうつ病の薬で、日本でも抗うつ薬として2007年に使用されるようになりました。

適応する症状としては、うつ病だけではなく、PTSDや不安障害、パニック障害等の神経症圏の症状にも適応できるので、その範囲は広いです。

特徴としては、他のSSRIと同様にセロトニンの量を増加させることによってうつ気分や不安感を解消します。

副作用としては、口が渇いたり、めまいがしたり、下痢や眠気が強いなどといった症状が現れる場合があります。

効果が出るまでは1週間ほどはかかります。急に使用を中止すると副作用が出ますので、自分の判断で服薬を中断することは危険です。

なお肝機能に障害がある人や、躁病の人、自殺を企図したこのある人等は服用できません。


<服用例>
うつ病に対して、ジェイゾロフト25mgを1日1錠。
(限度は1日100mgまで)

金曜日

SSRI トレドミン

トレドミンは、セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SSRI)の一種です。

作用としては、脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの再吸収を抑えて量を増加して、抗うつ作用をもたらします。

適応される症状としては、うつ病、うつ状態に用いられます。

副作用としては、眠気が強かったり、頭痛がしたり、ふらつきがあったり、下痢などの症状があります。

トレドミンの特徴としては、他の抗うつ薬と比較すると効果が表れるまでが速いのが特徴です。とはいっても1週間ほどはかかりますので、服用の継続が必要になってきます。

また、うつ症状が改善されても急に服用をやめるのではなく、長くても半年くらいは服用を継続する必要があります。

<服用例>
トレドミン・成人の場合、1日50mgから100mgを1日2回。
トレドミン・高齢者の場合、1日30mgから60mgを1日2回。

木曜日

四環系抗うつ薬 ルジオミール

ルジオミールは四環系抗うつ薬に分類されるうつ病の薬です。

セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の再吸収を防ぐ作用が抗うつ薬の特徴ですが、ルジオミールに関しては、ノルアドレナリンの再吸収を防ぐ効果が強いという特徴があります。

また、うつ病の薬で一般的に副作用の一つとしてあげられる抗コリン作用が少ないというのも特徴の一つです。

適応される症状としては、うつ病やうつ状態に用いられます。なかでも体のだるさや、不安感や焦燥感が強い場合、抑うつな気分の症状に適応されます。

効果が緩やかであるので、途中で効果がないといって勝手に服薬を中断してしまうと、頭痛がしたり、眠れなくなったりなどの症状が出ますので、継続的に服用していくことが重要だと思われます。

時にけいれんや発疹が出る場合もありますので、そのような場合は速やかに医師に相談することが必要です。

<処方例>
軽症うつ病の場合、ルジオミール25mg 1錠を寝る前に1回程度。

一般的なうつ病の場合、ルジオミール25mg 3錠を1日に3回。

老人うつの場合、ルジオミール10mg 1錠を寝る前に1回。

火曜日

SSRI デプロメール

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるデプロメールは、日本で初めて用いられるようになったSSRIです。

デプロメール以外にもルボックスという薬も同じ種類の抗うつ薬です。

作用としてはセロトニンの吸収を抑え量を増加させる作用を持ちます。三環系抗うつ薬並の効果がありながら、それよりも副作用が少ないのが特徴です。

一般的なうつ病の症状には頻繁に用いられるうつ病の薬であり、うつ病以外にも強迫障害、社会不安障害にも用いられます。

副作用としては、最初の服用中に吐き気があったりしますが、そのような場合はそれを防ぐ薬を服用することでだいぶ改善されるようです。

<処方例>
うつ病に対してデプロメール25mgを2錠、朝、夕2回。

月曜日

SSRI パキシル

三環系抗うつ薬よりも新しく開発されたもののタイプとして、SSRIという抗うつ薬の種類があります。パキシルもそんなSSRIの一種の抗うつ薬です。

特徴としては、脳内のシナプスと呼ばれる神経と神経をつないでいる所にあるセロトニンという物質の再吸収を抑えて、セロトニンの量を増加させます。

以前と違うのは、セロトニンにポイントを絞った薬なので、その分副作用が少ないという特徴があります。

パキシルはうつ病やうつ状態、時にはパニック障害にも用いられるSSRIです。

副作用が少ないのがSSRIの特徴ですが、パキシルの場合はその中ではやや副作用が多いようです。

最初は少ない量から始めて徐々に量を増やしていくことになります。効果が表れるまでには時間がかかり、その間に吐き気がしたり眠気が増したりします。あまりにも強い場合は中止することもあります。

ですがある程度の期間を継続して服用していけば、自ずとうつ病に対しての効果が現れてくると思われます。
決して自分の判断でうつ病薬をやめないようにしたいですね。

<処方例>
うつ病の場合は1日に1回10mg夕食後に服用。1週間から2週間様子を見て少しずつ増量していく。

パニック障害の場合は1日1回夕食後に服用。10mgから。

強迫性障害の場合は1日1回夕食後に服用。20mgから。

日曜日

三環系抗うつ薬 ノリトレン

三環系の抗うつ薬であるノリトレンの特徴として他の抗うつ薬に比べて、セロトニンの再吸収を防ぐといった作用というよりも、ノルアドレナリンの再吸収を防ぐ作用の方が強いという特徴があります。

ノリトレンの処方としては、20mgくらいから開始して、150mgまでを上限に増やすことができ、2回くらいに分けて服用していきます。

アドレナリンの再吸収を防ぐので、その副作用として起立性低血圧という副作用が生じる場合もあるのですが、ノリトレンに関しては、三環系抗うつ薬のなかでも一番起立性低血圧になりにくいです。

便秘や口が渇くなどといった抗コリン作用も比較的少ないようです。ですが効果が表れるまでは、1か月ほどの期間がかかりますので、継続して服用することが大事です。

適応する症状としては、うつ病やうつ状態に対して処方されます。

<処方例>
ノリトレン 10mgに対して 2錠から6錠を朝と夕2回
もしくはノリトレン25mgに対して 3錠から6錠を朝・昼・夕に三回。

金曜日

三環系抗うつ薬 スルモンチール

スルモンチールはだいぶ昔に開発された第一世代の三環系抗うつ薬です。

作用としては、ノルアドレナリンとセロトニンの脳内の取り込みを防ぎ、両者の量の減少を抑えることによってうつ病に効果があるとされています。

主にうつ病やうつ状態に使用されます。

スルモンチールはうつ病の中でも特によく眠れない不眠状態が強い時、不安感や焦燥感が多い時に使用される頻度が高い抗うつ薬です。

処方は少量から開始して徐々に量を増やしていきます。効果が出るまでには1カ月というかなりの期間を要するので、効果が出ないといって途中で服用を自分の意思で中止しないことが大事です。

副作用としては口が渇いたり、尿をするのが普段より難しくなったり、便秘などの症状が出る場合があります。

<処方例>
スルモンチール 25mgに対して2錠から6錠を朝と夕に服用。
最大の服用量は200mgから300mgが上限です。

火曜日

デジレル

デジレルの特徴としては、セロトニンの減少を抑える作用が中心で、アドレナリンの拮抗作用、ヒスタミンの拮抗作用もあります。

うつ病とうつ状態に用いられる抗うつ薬で、効果の方は三環系抗うつ薬並の効果があります。うつ病に対して用いるには抗うつ作用が少ないのである程度の服薬量が必要になってきます。

かといって服薬量が多くなると、催眠効果や鎮静効果が出てきてしまうので就寝前に服用するケースが多いと思われます。

単独でデジレルを使用するわけではなく、他のうつ病の薬と併用して、デジレルを就寝前に服用するということになると思います。

副作用としては、眠気が残る場合があります。

<処方例>
うつ病の場合
デジレル 1日75mg以上を処方して、その後最大200mgまで増やしていく。1日に1回から3回。

うつ状態の場合
1日25mgから50mgを寝る前に服用。効果によってはさらに増量することもある。

月曜日

三環系抗うつ薬 プロチアデン

プロチアデンは一応の分類では第二世代の三環系抗うつ薬です。

プロチアデンの特徴としては、若干ではありますが第一世代のうつ病薬よりも副作用が少ないようです。特に口が渇いたり、便秘になったりといった抗コリン作用が少ないようです。

うつ病になった場合は、比較的使いやすい薬だといえますので、よく処方される機会も多いのではないかと思われます。

ただSSRIという新しいうつ病の薬が出たことで以前よりも使用されることも少なくなったかもしれません。

プロチアデンの処方としては徐々に50mg程度から徐々に量を増やしていくことになります。

個人差はありますが、もし抗コリン作用の副作用が出た場合はすぐに医師に相談した方がいいです。そのような副作用が出た場合は他のうつ病の薬と変えてくれると思います。

<処方例>
プロチアデン 25mgに対して3錠から6錠を3回に分けて服用する。

日曜日

四環系抗うつ薬 テシプール

四環系抗うつ薬であるテシプールの特徴としては、脳内のアドレナリン神経の抑制を抑えて、それだけではなく、セロトニンの減少も抑えてくれる抗うつ薬です。

結果として、アドレナリンとセロトニンの量を増加させることができるという作用があります。

三環系抗うつ薬では抗コリン作用という副作用があるために、副作用抑制のためにテシプール等の四環系抗うつ薬が使用されていました。

最近ではSSRIという抗コリン作用等の副作用が少ないうつ病薬が用いられることが多くなってきましたが、SSRIを用いても焦燥感などの副作用がある場合などは、用いられることが多いようです。

副作用が弱いのも特徴です。特に日中の眠気やだるさがある場合は、この薬の方がいいかもしれません。

かといって副作用がないわけではないので、一般的なうつ病薬の副作用には注意しといた方がいいと思われます。

土曜日

三環系抗うつ薬 アナフラニール

アナフラニールはずいぶんと古くから用いられてきた典型的な三環系抗うつ薬の一つです。

抗うつ薬は通常水と一緒に口から服用するのですが、アナフラニールに関しては点滴で服用することができる唯一の薬です。

うつ病だけではなく、神経症における強迫性障害にも用いられることもアメリカなどでは多いようです。

アナフラニールの特徴としては、主にセロトニンの量を減少を抑えるものと考えられます。うつ病の薬の中でも確実性の面では未だに高い評価を得ている抗うつ薬です。

ですが副作用もかなりあるというのが特徴ですので、副作用にうまく対処できるかどうかがポイントになってくると思われます。

<副作用>
抗コリン作用が強いので、口が渇いたり、便秘になったりといった症状が出る場合があります。副作用だと思った時はすぐに医師に相談するの大事です。

<処方例>
アナフラニール 25mg 3錠から6錠 1日3回

金曜日

三環系抗うつ薬 トフラニール

トフラニールは三環系抗うつ薬を代表するうつ病によく用いられる薬です。

脳内の中枢神経に作用します。特にトフラニールは、うつ病の原因と考えられているノルアドレナリンやセロトニン物質の減少を抑え、モノアミンの増加を促すという特徴があります。

三環系抗うつ薬の後に開発された、SSRIとよばれるうつ病薬の種類が誕生したので、現在ではうつ病に対して用いられることは少なくなってきたようです。

ですがうつ病の治療薬としては、一般的で標準的な薬として現在でも使用されています。

ちなみにトフラニールは、うつ病だけではなく、強迫性障害や、不安障害といった神経症の症状にも効くと言われています。

<副作用>
トフラニールの副作用としては、抗コリン作用、便秘や排尿障害、頻脈などがあります。また一過性で眠気や倦怠感が出る場合があるようです。

効果の方は2週間くらいの期間を有するので、あせらずゆっくりと服用を継続していくことが大事です。

<処方例>
トフラニール 25mg 食後に1日3回

木曜日

三環系抗うつ薬 アモキサン

アモキサンは三環系抗うつ薬の一種ですが、とりわけ第二世代の抗うつ薬として比較的新しいものです。

では、以前の第一世代の抗うつ薬とどう違うかというと、口が渇いたり、便秘になったりといった抗コリン作用と呼ばれる抗うつ薬の副作用が少ないというのが違いの一つとして挙げられます。

他の抗うつ薬にはないアモキサンの特徴としては、脳内物質であるモノアミンの増加だけではなく、ドーパミンと呼ばれる物質にも作用するという点です。

アモキサンはドーパミンの量を抑えるので、うつ病だけではなくて精神病性のうつ病へ効果もあるとされていますが、ドーパミンが不足すると起こる錐体外路症状に注意しなくてはいけません。

ですが抗コリン作用という副作用がないので、比較的服用しやす抗うつ薬ということもできます。

ちなみにまったく副作用がないということではなく、便秘や口が渇いたりといった症状が出ないわけではないです。

副作用が出るのなら医師に相談した方がいいでしょう。

<服用例>
アモキサン 25mg 6錠を3回に分けて服用する。

火曜日

トリプタノール

トリプタノールは三環系抗うつ薬の一種です。うつ病の原因と考えられている一つに、脳内のモノアミンが不足することが挙げられますが、トリプタノールはモノアミンを増やして、うつ病の気分を軽減する役割があります。

トリプタノールの特徴としては、うつ病の薬の中では鎮静効果がよくて、うつ病にかかっている方でもとりわけ睡眠がうまくとれなかったり、焦燥感が強いうつ病の方に合っている抗うつ薬だといえます。

最初は少量で服用していき、最大で1日に150mgまで服用することが可能です。

効果が出るまでには2週間ぐらいかかるといわれています。比較的効果がゆっくりであるといえます。

<副作用>
副作用としては、うつ病薬ではよく見られる、抗コリン作用と呼ばれる便秘、口の渇き、目の調節機能の障害等が出現するときがあります。
抗コリン作用の副作用が出た場合はすぐに医師に相談した方がいいです。

<処方例>
・うつ病の初期段階のケース
 トリプタノール(25mg) 夕食後と就寝前に2錠づつ

・や尿症のケース
 トリプタノール(25mg) 就寝前に1錠

月曜日

うつ病の薬の重要性

うつ病は精神疾患の中の、気分障害と言われる症状です。

現代の日本など先進国ではうつ病に罹患する割合が年々増加傾向にあります。

うつ病は単に憂鬱な気分になるだけではなく、身体的にも影響を及ぼしますし、人によって症状がまちまちです。

少なからず今までの研究では、うつ病の原因として遺伝と環境によるものだと言われるようになってきています。

化学的には脳内の物質が環境によるストレスによって、バランスを崩すことによって発症するとも言われるようになってきます。

ですから自分の気持ちの持ちようだけで、うつ病から克服するのは容易なことではないのです。

しっかりと医師に相談して、うつ病の薬を服用しながらゆっくり静養することが一番なのですが、それがなかなかできない方も多いようです。

中にはうつ病薬の副作用が嫌で、途中で服薬を中断してしまったり、もううつ病が回復したと思ってやめてしまう人もいます。

ですがそれは、うつ病から立ち直る機会を自分で壊してしまっていることにもなりかねないと思います。

そこでうつ病の薬についての知識をしっかりと知って、うつ病のメカニズムを知れば薬の重要性を確かめることになり、うつ病からの克服に少しでも近づけるのではないでしょうか。